ピュイ・デュ・フー:もうひとつのフランス革命論:飛耳長目(4)

 またまた偶然だが、BS4Kで、「体感世界最大級のスペクタクル劇」の再放送をみた。フランスの西端でナントに近いPuy du Fouでのテーマ・パークの紹介で、フランスではディズニーランド以上に好評を博している由。ヨーロッパの歴史を再現するという触れ込みで、古代ローマの戦車競技の再現など、見所が多いようで、全部見るなら3日間は必要らしい。

 実は、それ以上に私の興味を引いたのは、多数の地元民ボランティア出演による1793年の「ヴァンデ戦争」再現劇のほうだった。フランス革命で宗教弾圧に反対して決起した民衆・農民の反乱に対して、革命政府軍が無差別殺戮をした。革命とは、いわれているほど理想的でも立派なことでもない、という当たり前のことを堂々とイベントにして、自説を主張する心意気に感じるものがあったからである。

 かつて「フランス革命」を理想化する言説が世の中に溢れていた昭和30年代に高校世界史を学んだ私は、わが名物教師(故)西尾先生が「今でも革命記念日にブルボン王家の白百合旗を掲げるフランス人がいるんだ、そもそも三色旗だって白が真ん中にちゃんとあるでしょ」と時流と相容れない、刺激的な情報をさりげなく告げられたことがあって、ある意味強引に、世の中を相対的に見ることの大切さを学んだ気がする。本当にそうなのか、確かめてみたい、これが私の道を決めたと今でもそう思っている。

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