2018/3/7発信情報:首都ローマでの地下鉄C線工事は、考古学的視点からすると見逃せない大チャンスである(いわずもがな同時に、遺跡破壊という側面もあわせ持つが)。2年ほど前に、Amba Aradam駅の工事現場の地下15mからトラヤヌスないしハドリアヌス帝時代の兵舎が出てきていた。今回はそれに接続して指揮官用邸宅ないし部隊本部とおぼしき建物が発掘された。真ん中に噴水を備えた中庭があり、周囲を14の部屋が取り巻き、地下暖房の設備を有した浴場も備えた300㎡の構造の由。このあたりは、私が以前ちょっとだけ触れたことのある4世紀初頭のEquites singulares Augustiの兵舎(現サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂)の隣接地区で、大聖堂から南西500mの場所に位置している。そこから逆方向の西北西500mにはミトラス神殿の上に立つSanto Stefano Rotondo教会もあって、その意味でも興味深い。
やはりローマはとんでもない考古学の宝庫である。研究者としては、これを見逃す手はないはずなのだが・・・。北斎「天我をして十年の命を長らわしめば」といい暫くして更に言いて曰く「天我をして五年の命を保たしめば・・・」と言吃りて死す。誰かやらんかい。
https://www.wantedinrome.com/news/rome-metro-c-works-uncover-second-century-military-home.html; https://www.lostateminor.com/2018/03/12/rome-construction-workers-dig-ancient-military-barracks/ ;https://www.realmofhistory.com/2018/03/07/rome-metro-ancient-roman-domus/ 【動画有り】
【追記】今日偶然見つけた。それによると兵士の遺骸も出てきたことになっているが、さて。https://karapaia.com/archives/52255237.html
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