考古学と神:遅報(22)

 ウィーン在住のジャーナリスト・長谷川良なる人物のブログ。2019/11/20「考古学者は「神」を発見できるか」:http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/52261942.html

 以下の、この視点はたいへん面白かった。

 エジプトから60万人のイスラエル人を率いて神の約束の地、カナンを目指した指導者モーセの実存は今なお実証されていないことだ。60万人のイスラエル人がエジプトからカナンへ移動する場合、考古学的にも何らかの痕跡が残るものだが、これまで見つかっていないのだ。
 欧州で2015年秋、100万人以上の難民・移民が中東・北アフリカから彼らの“約束の地”欧州を目指して大移動したが、彼らの足跡は移動ルートのバルカンには残されている。移動途中、亡くなった難民・移民もいただろう。彼らの遺骨が埋葬された場合、何世紀後にその痕跡を辿れば、「西暦2015年ごろ、中東のシリアから大量の人々が欧州を目指して移動していた」という史実を解明するだろう。しかし、「出エジプト記」のイスラエルの大移動の痕跡は考古学者の努力にもかかわらず発見されていないのだ。

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 彼は「イエスの実の父はザカリアス」とも書いている。聖書学的にはきわものめくが、当時から知られていたイエス出生の秘密に関して、解釈的には面白い(http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/52264551.html;http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/51755190.html)。私もこの話題を追ってドイツのBad KreuznachのRömerhalle博物館を訪れたことがある;私の方の説では、イエスの父はローマ軍団兵(ひょっとして補助軍兵士かもだが)Tiberius Julius Abdes Panteraであるが。

 ザカリアスとはマリアが妊娠中に身を寄せたことになっているエリザベツの夫のことだ。この見解、10年前の以下が種本らしいが、統一教会では40年も前から部外秘で言われていた由。Mark Gibbs, Secrets of the Holy Family, CreateSpace Independent Publishing Platform, 2009. 著者はフリー・ジャーナリスト。残念ながら古書でなんと900ドル以上の高額、ないし我が国では新本は入手できない状況。また大学図書館も所蔵なし。日本ではまた、歯科医師の土屋仁なる人物も『クリスマス文書』文芸書房、1996、で書いているらしい。出版当時の定価2000円が、今では古書で6000円だが、まだ入手可能。内容的には専門家でないので問題が無きにしもあらず。

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