ペルペトゥア・メモ:(7)天への梯子

 ペルペトゥアの夢の中に出てくる「天に向かう(ヤコブの)梯子」La scala del cielo(di Giacobbe)に関して、以下の文獻から首尾よくフレスコ画の出版当時の残存状況のカラー画が入手できたので衆知します。

Joseph Wilpert, Roma Sotterranea : Le pitture delle Catacombe romane, Roma, 1903, tavole, Tav.153 ; testo, p.445, Fig.43.
 
 残存フレスコ画(カラー)はTav.153、復元線描画はFig.43、です。後者で、左右の図柄が同じなのはなぜ、と思っていたが、この原画をみたらWilpertの想像ということが今回判明。中央のイエス像も光輪はなかったのでは。出土場所は、Henri Leclercqによると( par Le R.P.dom Fernand  Cabrol, Dictionnaire d’Archéologie Chrétienne et de Liturgie, Paris, II/1, 1910, col.151-2)、cimetière de Balbineとなっているが、Wilpertでは、arcosolio dei Santi Marco e Marcelliano。製作年代は四世紀末となっているよう。

 この本は、国内では京都大学のみが所蔵していたので、コピーを取り寄せましたが、さすが京大図書館職員で、註記にTav.153, 164が出ているが、と問い合わせがあり、そっちも送ってくださいとお願い。半分当たりで首尾よく上記のカラー版が得られました。古書検索したところ、約90万円で購入可能です。どなたか私、というよりも上智大学図書館に寄附していただけると有難いのですが(^^)。

 実は上智大学には、なぜか以下が所蔵されてます。20年ほど前にそれを見つけたとき狂喜しました。でも・・・ドイツ語とはいえ、出版年など書籍データがイタリア語版とかなり重複しているので、ひょっとして同内容? 明日調べてみましょう。
 Joseph Wilpert, Die Malereien der Katakomben Roms ; Textband, Tafelband, Freiburg, 1903.

 調べたら、構成的に同じでした。かなり痛んでいるので、貴重図書にでもしてほしいと思う。さて、どちらが原文なのでしょうか。ドイツ語版は他に、立教大学、早稲田大学、東芸大が所蔵してます。

 なお、Via Latinaのカタコンベには、320-350年頃の次のフレスコ画がある。

 また、スペインのブルゴスには、四世紀中頃の日付の、以下のような石棺がある。その中央に梯子が。私は20年前に2夏がかりでカミーノを全踏破した。ブルゴス、レオン、そしてアストルガを通過したが、一生の思い出である。こんな石棺のことなど知りもしなかった。も一度行きたいと思うが、歩きではもう無理なのが悔しい。

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