ツタンカーメン:遅報(39)

 専門外の著名な考古学的知見については、素人なので触れたくは無いのだが、先ほどBS4Kで「地球ドラマチック」「ツタンカーメン:財宝に刻まれたファラオの真実」(2018年フランス製作)の再放送をみて、びっくり。それよりちょっと前にこれも偶然見た再放送、たぶんBSプレミアムでの「探険!ツタンカーメン王墓」(2017/11/18放送)がCG技術を駆使して詳細に扱っていたのをみた後だったので、まあ、製作の時差が一年あるにしても、あれれと思わされてしまった。「探険!」の内容がもう古い感じなのだ。

王墓全体の透視CG画像

 核心はなにかというと、2018年のほうがなかなか興味深い話で、仏人研究者マルク・ガボルド博士の仮説に基づいて、これまでツタンカーメンのものと思われていた副葬品やあの黄金のマスクも別人用に作られていたことが、カルトゥーシュの書き変え痕跡から判明した、というもの。書き換えの事実は2015年頃にすでに判明していたようで、元の名前については諸説あったようだが(https://55096962.at.webry.info/201601/article_19.html)、2018年の番組ではイクナートンの四女だっけの「メリトアテン」で、どうやらツタンカーメンが大きくなるまでつなぎで女性ながらファラオをやっていたということらしい。以下の図の緑がツタンカーメンのカルトゥーシュで、赤の部分がそこに残されていた前の痕跡、それに基づいての復元例が黄色というわけ。

以下から拝借:https://55096962.at.webry.info/201601/article_19.html

 その説に基づいてのことかどうかは不明だが、最近の以下の論文でもツタンカーメン王墓内出土品に「メリトアテン」名が残っていると指摘されていて、これはもう定説となっているようで、素人にはたいへん興味深かった(野中亜紀「トゥトアンクアメン王墓出土のクラッパーに関する一考察」『貿易風 :中部大学国際関係学部論集 』第14号、2019)。

 ところでコロナ騒ぎで取り紛れ忘れていたが、私の余命はあと2610日。

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