① 渋谷の公園に最近オープンした透明トイレ:施錠をすると見えなくなる仕組みとのこと(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2008/21/news120.html)。夜だと街灯がわりにもなる、と書いてあるが、でも変な見物人や路上生活者が集まってきそうで、どうかな。ちょっと心配。
② オランダ内陸のネイメーヘンでの発掘されたトイレの模式図が,地域柄木造でおもしろかったので、とりあえず掲載しておきます。構造的に汚水枡まで考慮されていてリッパ。そのあとどうなるのか気になったが、くみ出しなのであろうか。Harry Van Enckevort et Elly N. A. Heirbaut,Nijmegen, from Oppidum Batavorum to Ulpia Noviomagus, civitas of the Batavi: two successive civitas-capitals, Gallia, 72.11, 2015, 285-298.
面白いコインが売りに出ていた(PEGASI NUMISMATICS SALE 158 Hosted by Agora Auctions)。周知のように、四分治帝tetrarchの東西両正帝ディオクレティアヌスとマクシミアヌスは305年5月1日に同時に引退した。それを記念した銀5%程度含有の青銅貨AE FOLLIS、よって発行年は一応305-6年とされている。出品業者の説明では、左がディオクレティアヌスで造幣場所はロンドン、右がマクシミアヌスでトリーア製、裏面はいずれも同じで,右側のProvidentia(「神意」の擬人化)が手に持った枝を左のQuies「静寂」に差し出しているデザイン。両方ともマクシミアヌスの後継西部正帝コンスタンティウス・クロルス領域での打刻であるが、今回の政権禅譲で帝国が平静であれかしとの思いが伝わってくるような気がする。マクシミアヌスのほうの表情によりリアリティを感じることができるのも、これまで彼の副帝で女婿コンスタンティウスによるものだからかも知れない。落札希望価格も同じで$335。$250からのオークションとなっているが、すでにマクシミアヌスのほうは「SOLD」表示が。開始直後に言い値で落札されたわけだ。収集家がほしくなるような個性をマクシミアヌスに感じることができたからだろうと納得。ちなみに、ディオクレティアヌスは引退時60歳で、マクシミアヌスは4、5歳年下だったと想定されている。
J.P.C.Kent,photo.by Max & Albert Firmer, Roman Coins, London, 1978, p.323によると、本コインは287年の両帝執政官就任行列を描いたもの。その根拠は、裏面銘文「IMPP DIOCLETIANO III ET MAXIMIANO CCSS」だが、両帝同道の行列そのものは架空のものか。これはAureus金貨5枚分に相当する記念金貨として軍高官や高級官僚に送られた一品で(すなわち流通貨幣を意図していない:cf., S.Williams, Diocletian and the Roman Recovery, London, 1981, p.49)、現品はAboukir遺跡(エジプトのアレクサンドリア北東端の岬)から出土の由。