先達の足跡:(6) 合阪學

 まだご存命であれば80代半ばと推察するが、彼が書かれた以下が単著として出版されることを願っている。

 「エウギッピウス『聖セウェリーヌス伝』の研究」『大阪大学文学部紀要』30,1990−2,335PP.

 合阪先生の研究分野は古代ギリシアから共和政ローマと思っていたので、私的には前触れもなく、紀元後6世紀のエウギッピウスが書いた師セウェリヌスの伝記の出現には大いに戸惑った記憶がある。最初は見て見ぬ振りしていたが、学部用の授業でテキストに選んで通読して、見直した。古典学の手法を使って、キリスト教の知識もきちんと押さえた内容であることが分かったからだ。

 あわてて古書検索をかけたが当時すでにかなり高額となっていたので、購入は諦め、阪大のリポジトリでpdfを落として、授業でもそれを利用した(KJ00004305051)。今となっては古書にも出ていないが、無理してでも押さえておけばよかったと思う。掲載が紀要なので、図書館にこのまま埋もれさせておくにはもったいない、多くの人々の目に触れるために出版されることを、心から祈っている。

 ぐぐっても、1937年生まれである以外には、なぜか写真はおろか、業績一覧といったデータもまとまった形で出てこなかった。退職時に普通はまとめて掲載するのが通例なのだが、さてどうしたことか。ご存じ寄りの方からのご教示をお待ちしている。k-toyota@ca2.so-net.ne.jp

【追記】2023/12/31:国立国会図書館のデータ表示で、「1937〜2009年」を見つけた。上記を書いた時点ですでにみまかられていたわけである。

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