別件でググっていたら偶然見つけてしまった。山舩(ふね)晃太郎「水中考古学者と7つの海の物語」(https://suichukoukogaku.com/athlit-ram/)。
ごく最近本も出版されたようだ。さっそく注文しなくては。『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』新潮社、2021/7/15。この分野ではちょっと前に元寇関係が話題となっているが、地中海が主体なようなのでうれしい。
このウェブ、まだ少し覗いただけであるが、老人にはときに目がちらちらして刺激的な漫画チックな色彩もあるが、なかなか意欲的な内容である。私も現役時代から沈船研究の重要性については学生にそれなりに熱っぽく述べてきていたつもりなのだが、誰も飛び込んでくれなかったので、わが日本にいつの間にかここまでやっている人物がいたとは驚きだった。気になったので著者をググって、二度驚いたことに研究上の知人の教え子だった(https://yab.yomiuri.co.jp/adv/hosei/graduate/vol32.php)。私には感化力がなかったということかぁぁ。
山舩氏は1984年生まれの、まだ37歳。若いだけにこれからが楽しみである。三Dモデル関係で会社も設立しているようで、抜かりもない。というか目先が利いている。アメリカでの修士論文(2012年)はなんと南蛮屏風、これは三度目のビックリだった。一面識もないけれど、影ながら応援したいと思うが、すでに世界的に実力が認められているらしいので、なにをか言わんやだ。
とりあえず以下でベネツィアでの沈船調査が読める。https://bunshun.jp/articles/-/46647
【追記】水中考古学に関しては大先達がいらっしゃった。私も持っていた中公新書の著者で、井上たかひこ氏。私より4歳年上で、あれれ、出身大学は山舩くんと同じ法政大学、ただし経済学部だが、なんと留学先も同じだったとは(https://koken-publication.com/archives/653)。ご両人に共通するのは、一念発起したからには体当たりで突き進む馬力のような気がする。
また書籍をググっていたら、以下も見つけた。そろそろこの分野、旬なのかもしれない。いやそうであってほしい。中西 裕見子・片桐 千亜紀『地中海の水中文化』(世界の考古学)、同成社、2020年。これは大学図書館にもあった。
古代ローマの商船の3D画像作成。いい時代になったものだ。
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