ローマ・フィウミチーノの船舶博物館新装開館

 長らく閉鎖されていたMuseo delle Navi di Fiumicinoが10月12日に新装開館されて、現在は火曜〜日曜。10:00−16:00に無料公開されている由。https://www.ostiaantica.beniculturali.it/it/aree-archeologiche-e-monumentali/museo-delle-navi-di-fiumicino/?fbclid=IwAR19lGBmgWdVJyUdCGlTTHi2wwBDqKwj39Kpb-4qg9FrJz7peJfNGHF4h7s

左、概観                        右、館内

 1957年からの、フィウミチーノ地区でのレオナルド・ダ・ヴィンチ空港新設工事を契機に、1058−1961年にかけて8隻の船舶の残骸が発見された。主体は商船で、中には生け簀をもった漁船や、近隣輸送に従事した小型帆船も含まれている(損傷がひどく保存放棄されたものもある由)。うち三艘は河川運搬船のcaudicarieで、それぞれ積載量70,50,30トンで大いに当時の造船研究に寄与することになる。すなわち必要に応じて大きさの異なる中央の胴体を船首と船尾の周りに組み立てていたことが判明したのである。

 見つかった場所にそれらを保管した格納庫がまず建てられ、それは後に博物館として1979年に開館されたが、建築上と船体修復上の問題があって2002年には閉館され、以来20年間閉鎖されてきた。

 私は20世紀末にかろうじて見ることができたが、そのとき他に見物人はいなかった。目撃した職員は少なくとも三人はいたので、保存・公開する遺跡が多いイタリアは人件費もたいへんだなあ、と思ったことだ。

 そのあと外に船が接岸した突堤ないし船着場の遺跡がありそれの写真を撮っていたら、どこからともなく鋭い笛が聞こえたので周りを見回したら、100mくらい向こうの空港のフェンスから兵士が自動小銃を構えているのが見えた。角度によって軍事施設である空港を写していると思われたらしい(実際は、歩哨の兵隊さん、暇を持てあまして東洋人を脅しただけだろうが)。テロが頻発していた時期でもあり平和ボケのかの日本人は慌てて撮影をやめたことは言うまでもない。・・・

 マルチメディアルームも設置されているようだが、イタリアではおなじみのしばらくしたら機器が故障して動かない(たぶん修復の予算がないせいだろう。完動している例はほとんどない)ことが予想されるので、早めに見に行くにこしたことはないだろう。

【付加情報】遺跡公園東のユリウス2世創建の砦Castello di Giulio II情報が、Parco Archeologico di Ostia Anticaのブログにあったので、周知します。

毎週末、って土曜のことかと思うが、午前10時から午後4時まで、10.20、11.40、午後2、午後3時に開いています。各訪問の参加者上限は12名まで。 予約は不必要、とのこと。

入口はボルゴ側から入る

  

Filed under: ブログ

コメント 0 件


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Comment *
Name *
Email *
Website

CAPTCHA