これは私が写した写真ではないが、別件ググっていたら出くわした。私もアボンダンツァ通りを歩いていた時、雷を伴ったたいへん激しい夕立に遭遇し、近くの邸宅に避難したときに似た写真を撮ったことあるのだが、とりあえず捜し出していないので、忘れないうちに代わりに拝借しておいた。
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こんな調子で写真のような現状だとアトリウムはびちゃびちゃになるが、古代においては、屋根に落ちてきた雨水を下で受け止めるimpluviumに流し込むべく、天井の矩形空間compluviumに吐水口があったので、少しは効率的だったかもしれない。ところで、この吐水口、中世教会建築ではやたら魔界の魔モノ的なおどろおどろしい装飾物でおなじみだが、古代ローマでは2022/1/5にアップした犬の塑像関係で触れたような毒気のない動物が多い。
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以下はおまけであるが、今般の東博のポンペイ展で展示物の中に伝エルコラーノ、パピルス荘出土の吐水口で、造形は雌ライオンとのこと。テラコッタ製の管の先に青銅製のこれが接続されているわけだが、さすがにパピルス荘、こんなところまで凝っていたとは。
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なお、Impluviumに溜まった雨水は、その下に掘られている貯水槽に流れ込ませる集水口があって貯水され、それ用に傍に設置された井戸からくみ上げて使用されるのだが、ほとんど井戸水で生活したことのない私としては、こんな水、何にどう使用するのか、どうしても気になってしまう。直接はいうまでもなく、たとえ砂などで濾過した水にしても、飲料としての利用は勘弁してほしいと思ってしまうのだ。はたしてあの水をどうしていたのだろうか。現代のマンションでも屋上の貯水槽内にはネズミや昆虫の死骸が浮いていたりするのだそうだし。その時代、水を行商販売していた水売り人がいたし、街角には公共の泉水もあったので、飲料水はそれでまかない、貯水槽の水は生活用水に使用していたと思いたいのだが・・・。
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