”AD79eruption”が消えた!:データベース保存の訴え

 これまでのウェブの先達でポンペイ・エルコラーノ関係で大変重宝していた”AD79eruption”に行こうとしたら、どうもうまくいかない。Safariだと「サイトがみつかりません」という表示が出てしまう。ビューアを変えてみたり、PCを変えたり、あれこれうろうろして、ようやくあのウェブが消えてしまったのではという、大変残念な結論に達してしまった。これが間違っていることを今でも心から願っている。

 ググっていると出てくる「○○の画像検索結果」を見てみると、下図のような身慣れた平面図はまだ残っているのだが、ウェブ自体にはもう行けないのだ。

 以前、2021年にイギリスがEUから離脱することになったときに、もう一つのおおいに頼りにしていたウェブ ”Pompeiiinpictures”が、イギリス以外ではアクセスできなくなるといった告知がされたことがあって、そこはとにかく遺跡の写真が多く収集されていたので、大変ショックを受けたものであるが、これはどうやらEU離脱がらみのガセ情報で杞憂に終わって、今でも利用できる。しかし写真によく写りこんでいる奥様とおぼしき女性もいいお歳のようにお見受けするので、早晩消え去る運命となりそうなのは寂しい限りだ。もし可能なら、コピーを撮って保存したいほどだが、こっちも先がない身である。

 私にはよくわかっていないのだが、いったんインターネットに書かれた情報は永久に消えないなどといわれているが、私の体験だとそんなことない。現実には、数十年蓄積されたデータが一瞬で消滅するのだ。

 ウェブ情報になっているのはそれなりの理由がある。書籍にするより格段に簡便だからだ。カラーもふんだんに使えるし。他方で、書籍には図版掲載が価格問題で限定的だから、これも問題で、ひどい例になると文字情報ばかりで誰も読まない理解できない叙述を書いて済ましている者もいる。こうなると昔の呪詛板の呪文そのものである。図版示せば百聞は一見にしかずなのだが。

 確かに管理者は年々年取っていき、いずれこの世から遅かれ早かれ消え去るわけだが、その成果の優れたウェブはなんとか生き延びていくことはできないであろうか。他力本願ではあるが、なんとかならんかの〜、と思わざるをえないのである。

 実は、私のかつての職場には退職して6年も経つのに私のHPがまだ残っている。教職員には退職者通知は当然告知されているのだが、担当センターがそれをチェックしていないからだろう(あっちから言わせると、本人から退職通知があるべきということだろうが)、そういうのんびりした管理の公的HPだと、いつか律儀な担当者が現れて大なた振るって整理するまでは生き残ることできるわけだが、プライベートなPHでは年度毎の入金が途絶えれば即削除されてしまうわけで。というわけで遺産相続者たちに、私はHP用にだけ私名義の預金を残してくれ、とすでに遺言しているのだが、どーせ薄情な連中だから、そんな故人の希望などその時になったら忘れ果てていることだろうし(私だって、葬式用に母が指定していた写真どこに保存されているのか未だ不明なのであ〜る)、それほどまでして残す価値あるHPなんだろうか、と思わざるを得ないけれど、私はどうも諦めが悪いようで、なんとかならんかいなと未だ未練たらたらなのである。

 いいデータベースを拾い上げて保存する、そういうシステム構築がある意味学界的に検討されるべきではなかろうか。そう、出発点としては、学会のHPでの保存など手軽にできていいはずなのだが。いざ実施となると、玉石混合のうえに、知財的な問題も生じるのでそう簡単ではないにしても。

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