この夏、広島に帰って見るともなしにつけていたテレビで、盛んに「家族伝承者制度」という言葉によく出会った。被爆者の死滅が目前に迫っている現在、その家族が聞き取って原爆体験を継承し、戦争を知らない世代に伝えるというプロジェクトで、昨年始まったらしい。
2022/8/4NHK「戦跡:薄れる記憶」(https://www3.nhk.or.jp/news/special/senseki/article_148.html)
人工知能(AI)を駆使して証言映像が質問に答える、そんな試みも始まっているようだ。たしかにこれはいい。膨大な作業料と資金が必要だろうが。今、NHK総合(広島)で原爆の日特集の第一部でライブ絡みで放映している。
NHK放映予告より
今年3/18放送「永遠に語り継ぎたい:未来に残す、あの時の記憶」(https://www.nhk.or.jp/hiroshima/hibaku75/taiwa/)。梶本淑子さんの事例。あれ、彼女の現住所は庚午北だそうだ。
彼女は戦後の生活については触れたくない思いで封印してきていた。端的にいえば今日明日の食べ物の調達での惨めさなのだ。被爆したあと、父が死んで、生き残った母と3人の弟を養っていく戦後の10年間の苦しい日々の悲惨さ、惨めさ・・・。
歴史学徒のいやらしさで、きっとすべては語られていないのだろう、とどうしても思ってしまう。たとえ6割吐露していたとしても、残り4割は口を閉ざして墓場にまで持っていくのだろうな、と。でもしかし、それでもやるべき試みだと思う。あとは人間の想像力の問題だ。
この番組はNHKオンデマンドで来年の3/15までみることできる。単品で220円。
これを書いているときに突然猛烈な雨が。世間は晴天なのに、ここ庚午北は夕立だ。10分程度で晴天に戻ったが、これで一挙に湿気が高まってしまった。
【追記】 以下の風聞について耳に入ってきたのでメモっておく。被爆者は原爆手帳をもっているので、医療費が原則タダである。私の母はそれもあってご近所の医院に調子が悪いと気軽に行っていたものだが、たんびにレントゲンと点滴をされて「あ〜楽になった」と嬉しそうに帰ってきていた。水分不足が原因ということらしかったが、だったらレントゲンは不要だけどなと思っていたのだが、なんと広島の医者は原爆手帳のお陰で楽してこれまで儲けてきていたけど、被爆者が少なくなってそうは行かなくなって困っている、と。要するに医者が被爆者に寄生して医療費をかさ上げしていたことが、他ならぬ広島の開業医たちの雑談で表ざたになってきたようで、疑問に思っていたことがようやく私にも理解できた次第。黒い雨降雨範囲拡大だって被爆者増加を目論んでいるその筋の差し金に思えてきてしまう。
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