この日は、コロッセオ予約が16時半となっていたので、午前中は宿舎でゆっくり過ごし、午後OK君が帰ってきたのと入れ違いにローマに向かう。昨日夕食をたっぷり食べていたので昼食抜きだ(朝はカチカチのロゼッタを例のスープと食した)。一縷の望みを持っていた1週間券はやっぱり終わっていたが、サテ現場に出てみると、強い日差しの中、コロッセオにそんなに人は並んでいない。私はちょっぴり旧交を温める気になってコンスタンティヌスのアーチ門をぐるりと回って写真撮ったりした(広角なのでもとよりうまく撮れない:しかし銘文の1箇所に妙な生き物が取りついていて時々尻尾を左右に振っていた、あれはなんだったのだろうか? これまで鳩は見たことあるけど:ケータイで目一杯拡大して撮りました)。
東側の影でしばし座ってみたりしたあとで、このコロッセオ入場の時間限定はコロッセオのみのことで、パラティヌス丘なんかはそれ以前に入れるのでは、まあこういう件でグレゴリオ通りなんかだったらルーズに対応してくれるかも、と思い立ち、そっちに向かう。この時結婚式恒例の写真撮影をしていた。こんな衆人環視の中でやるなんて大した度胸だというわけで私も撮る気に。期待にたがわずお二人ともりりしかったです。お幸せに。
グレゴリオ通り入口では行列はなくて、若い女性が紙を受け取って仲間の男性2名とふざけて、ケータイ風な機械で私持参の印刷物を腰をふりふりチェックできないように動かして見たり、誰ひとり読もうともしない。その後は荷物検査の叔父さんで、腰のポーチを示してもいらないよのジェスチャー。簡単に入構できたので、直ぐ横のトイレに行って準備完了。但し手洗いの水は出なかった。
まず左手に道をとり、緑の散歩道の出口や宮廷内中庭への入口に向かうが、当方予想通り両方とも鍵や規制線で入れなくなっている。それで道なりに右に向かい階段を登って、一気に競馬場の上に出てパラティヌス博物館の方に向かう。途中左手下にドミティアヌス宮殿だっけが見えるがそこは噴水が設置され池が一部復元され水をたたえ、ご丁寧に音楽も流れているのを上から見物するわけだ。
さて、博物館がどうもおかしい。左入口に女性門番がいて、スーパーカードNo.2の表示が立っていて、たまに中から人が出てくる。逆に回ったり、裏を見たりしたが、どこも入れる場所はないし、その下にある大公衆トイレへの進入口はない。やっぱりこりゃ特別券が必要なようだわ、他はどうなっているのだろうと、フォロ・ロマーノに下る。
こっちも旧交を温めるべく女神ローマとウェヌス神殿方向に向かうもしっかり鉄柵が閉まっていて入れなくなっている。遠目になんだかイベント会場になっているようなテントが見える。引き返し際にフォロの博物館表示が新しくなっているのでよもやと思い入ると、これが大改造されていて以前のうらぶれた面影を一新している。ひょっとしてと奥に向かうと案の定、神殿西側の大ニッチの広間に入れた。ここは大昔東側から迷い込んで窓越しに出てけと注意された場所なんだけど、地階全体がぐるりと博物館化されてこざっぱりときれいになったものだ。コロッセオを見通す東端には出れなくなっているのが残念。
そこからマクセンティウスの新バジリカに向かう。南側の階段が修復中で、コンスタンティヌス像設置場所に立って東を見通ししばし旧交を温める。午後の直射日光のもとこの空間に見物人はほんの数名という贅沢さ。
聖道に戻るとそこは雑踏の賑わい。ロムルス神殿も封鎖されていたが、あとは議事堂まで行ってみるが手前で規制線あり、まあこのあたりはセプティミウス・セウェルスのアーチを含めコロナ以前からずっと入れなくなっている。ここからアンティクワ教会に向かう。ここにはスーパーカードの表示がないのにやっぱりクストーデが立っていて、たまに来る観光客の携帯チェックしているので、どこでカード購入したらいいのかと聞いたら、公式HPで24ユーロと答えてくれた。あれ、そんな文言あったっけと思ったが、やっぱりねと。これは私としては大失態なのだが、地下大公衆トイレを含めて、いったいどこでどうすれば見学券が購入できるのか、ふつうだと分からないようなそんな表示はやめてもらいたいものだ。それとも耄碌じじいの単純な見落としか? 以前もグレゴリオのチケット売り場でスーパーカードがほしいと連呼したのに全然相手にされず,普通券を売りつけてあしらわれ、それでそばにいた若い警備員に言ったら,ここの窓口でどうぞと指さされ、ようやく追加で入手できた。どうやら受付の人によって対応が違うようなのだ。このときも一般料金表示にそれは書かれてなかった。99%の一般観光客相手だとそれでいいにしろ、チケット売り場の販売員だってプロのはずなのにこの体たらくだ。たぶん無能な縁故採用者なんだろうと毒づくことしか私にはできないのがくやしい。
さてコロッセオ予約の15分前になったのでティトゥス門から出る。ここの入口もどんづまりは大人数が詰まっていたが聖道に列はない。そしてそれはコロッセオでも同様で用紙を機械で透過して奥に向かえと指示され、そこでも荷物検査されて無事ご入館だ。私は今回は一般券なので舞台にも立てないし地下構造もなしだったが、2階でお鉢回りができたのは新体験だったのでは。ここでは通路での展示に新機軸あるのかだけ興味あったけど、規模が縮小されていた上に、書籍販売も少なくなった印象あって、わずか40分ほどでご退出。
何かうまいものたべたいなと思いつつ、無策なままなにもないノルドに向かう。ピラミデ駅で西日のきつい中30分電車待ち。土曜や休日は1時間2本だからかしかたがないが。今日はそれまで1万2千歩台しか歩いていないがなぜか疲れた。その疲れもあってちょっと怖いとおもいつつ車内でうとうとするのが最近の私だ。これも老化現象か。宿舎手前で右に折れ、切り売りピザ屋で2切れ8ユーロ、北アフリカ系の小商店で冷えたハイネッケン2本と、テ・ペスカ大瓶を6.20ユーロで買う。財布から硬貨をじゃらと出して20チェン硬貨探していたらここの主人に1ユーロのコインをあらかた取られてしまうが、20チェント割引きされたようで、まあいいか。
宿舎に帰ってみると、室内は冷房がギンギンに冷えていた。シャワーを浴びて、ピザ半分を寝ていたOK君を起こして分けて、私一人でビール一本とテを空けてしまう。途中でブザーがなって、どうやら大家さんが陣中見舞いにガラス瓶に入った見慣れない水2本差し入れてくれたが(たぶん飲まずに冷蔵庫において出るだろうが)、当方パンツの下着だったのでろくな対応もできず失礼しました。それから3時間寝て、二度寝して午前5時起き。この日記を書く。
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