先般の国立科学博物館のクラウド・ファウンディングは予定額1億円のところなんと9億2千万円集め素晴らしい大成功だったが、どの施設でもそういうわけにはいかないだろう。
私は上京して以来首都圏で海外の特別展を含めて参加することが容易になったのは確かだが、いつもとんでもない人出の混雑に辟易、冥土の土産にしたいのだろうけど、今さら見てもどうなるのよ、とつい毒づきたくなったものである(すみません)。とかくするうちに、私自身が冥土目前になっているわけであるが。
ところで、こういった箱物施設では収蔵物は年を経ることで増加していく。しかし展示スペースは限られているので、要するに普通収蔵品の閲覧はごく一部に限られる。ところが、それをデジタル化してHPに展示する労力を払えば、極端にいうと、すべての収蔵品を見ることができるし、観客に邪魔されることもなく、展示期間に限られることもなく、微細画像を自宅や研究室でじっくり監察することもできる(ミュージアムの「トリアージ」と「終活」 避けるために必要なこと)。
今後の施設はこういった視野をもって経営されるといいと思う。ウェブではサムネイル画像で見て、必要な画像は有料で入手出来るようにすれば、施設も多少なりとも経済的に潤うことになるだろう。問題はデジタル化の経費捻出と、そのプロセスにかなりの日数を要することだろうが、これはやるしかないとしても、スキャナ技術の日進月歩とどこで妥協するかといった問題も壁となるだろうから、そう生やさしい作業ではないかもしれないが。
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