我孫子の読書会で、『教会史』のことが知りたいというホント奇特な人がいて、それで「私にとって『教会史』はエウセビオスをすることになるのですが、それでよければ」と断った上で、エウセビオスがらみのおさらいをはじめている。次回が三回目で、その流れで最近の研究書をチェックしていて、たとえば以下を見つけた。
① Éric Rebillard, Christians and Their Many Identities in Late Antiquity, North Africa, 200–450 CE , Cornell University Press, 2012.
② Candida Moss, The Myth of Persecution: How Early Christians Invented a Story of Martyrdom, New York, 2013.
いずれも今から10年以上前のものだが、①のほうは我が書棚にあったけど未読だったもの、でも発掘が面倒なので、我が図書館のを借り出した(^^ゞ ②は手元にも我が図書館にもないので発注中(安価な本体より郵送費がかかる計算)。アマゾン・コムの読者レヴューをみると、それなりに評価されているようであるが、問題も多々指摘されているので、まあこういった問題には正解はないといわれかねないかもだが、私からすると、浅薄で表面的な史料批判が目につく、いわば先に結論ありきというか思い付きがあって、それに合わせて史料を並べているようにも思える。それが顕著なのは、両書ともエウセビオス叙述には批判的、というわけで、私的には突っ込みどころ満載の予感がする。ただし、両書とも周辺部分で新知識を与えてはくれはするだろうが。
いずれにせよ、欧米人研究者に刷り込まれた先入見は未だ強固だ。それを極東人の私なんかが是正できるとは思えないが、しかし私ならではの見直し作業を残りの人生で果たしておきたいとは思う。その意味で、いい時期にいいご提案を頂いたように思う。頑張りたい、私なりの「エウセビオス論」を。
【補遺】以下の著書も重要と思われるが、他はともかく(京産大のみ所蔵)、我が図書館に所蔵がないのはどうしたことか。やっぱりK.リーゼンフーバー師のリタイア(2009年)、死亡(2022年)の影響は大きいようだ。このあたりで恩師の継承なんかなかなかできるものではないと思い知った感じする。
Dirk Rohmann, Christianity, Book-burning and Censorship in Late Antiquity: Studies in Text Transmission, Baylor UP., 2017:学位論文のせいか高額! でも、いずれ我が図書館のために、こ一万円しても購入しておくか。
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