月: 2024年4月

古代史をやる意味:古気候学から学ぶこと

 このところおとなしめだった田中宇氏が、彼の持論「気候危機の捏造」をまた本日アップした(https://tanakanews.com/)。

 人によってはあまりに世間に流布した常識となっている「仮説」と違うので忌避する向きもあるかもだが、地球創成から宇宙創成にまで射程を伸ばす古代史的視点からは、無碍に否定できないのである。彼もちゃんと言っている。気候温暖化「人為説は気候変動の仮説の一つであり、全否定できない」と。この「仮説の一つ」という視点はきわめて重要である。それのみではなく、それも視野に入れて一呼吸おいて考えるべきなのだ。

 統計は、えてして自説に都合のいい時間的切り取り方をされるわけだが、温暖化論争もまさしくその典型的事例である。視野が短期なのだ。恐竜時代や氷河期まで射程に入れるとまったく異なった結論となる。

 私のようなド素人にとって、最近の電気自動車問題なんかは、極東のトヨタ風情に負けてしまった先進欧米諸国や後進中国が新技術でもって現状をひっくり返そうという企みの、理念的先触れでやっていることのように思えるのだが、その決着の帰趨はもう少し先になれば見えてくるだろう。ま、その時はまたごまかしの論理が大手を振って鳴り物入りで喧伝されるのだろうが。

 考えてみると、歴史などそれの連続である。自分が育ててきたテロ組織を今度は正義ヅラをして叩くというアメリカの際限の無い政策連鎖になぜ気づかないのだろうか。民主主義のご本家を標榜しつつ、その実、援助先は汚職にまみれた独裁政権ばかりなのだから笑止千万なのである。

 とはいえ、アメリカにおける軍需産業の拡がりと販売実績は無視しがたく、文字通り獅子身中の虫として殺さずに活かしていかなければならないわけで、その舵取りはホント大変だなあと同情せずにはおられない。

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思わぬ男女不平等

 2024/4/30発信毎日新聞デジタル有料記事「遺族年金、もらえないのは「夫だから」:妻亡くして知った男女差別」。

 これは私のような共働きの夫婦だけに気付きが限られているのだろうが、それにしても、2022年には共働き世帯が専業主婦世帯の約2・3倍に達した現況で、未だ専業主婦救済策としての昭和の規定が当然のように検討もされず放置さているのは、おかしいと言わざるをえない。

 関連先行記事2023/11/7発信「労災の遺族補償年金「性差は違憲」:妻亡くした夫が給付申請」

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NHK BSスペシャルの再放送で「デジタル・アイ」を見た

 副題が「新発見続々!:考古学×可視化テクノロジー」。なかなかの迫力だった。今だとオンデマンドで見ることできる。見逃した人は是非とも220円投資してご覧になることをお勧めする。

 「レーザーを照射して観測するLiDAR(ライダー)技術が可能にした、膨大な数の遺跡の可視化。カンボジアではアンコール王朝の都市の謎が明らかになり、奈良の古墳調査では日本史の“空白の4世紀”に風穴があけられようとしている。さらにウェスウィオ山の噴火で焼けた古代ローマの古文書がいま、若者が駆使するAIによって読み解かれようとしている。これまで不可能と思われていたことを可能にする、活況に沸く考古学の最前線を伝える!」

 2024/4/4放送のものの再放送で(なんで見逃していたのだろう)、巧まずして考古学の最新現状況の報告となっている。いずれも登場する研究者がみな若い世代で、将来への希望を繋いでくれているように思えたのだが、身近な歴史分野で(私にとっては古代ローマ史だが)それへの蠢動すら感じとることができない現状は淋しい限りだ。

 番組最後に揃って74歳の島根県のマニア4人が登場して、「あと4年くらいしか残された時間がない」と言いながら(この件は私と同じだ)、AI使っての古墳発見に挑戦しようとしているのを微笑ましく感じると同時に、西洋古代史の若手がその方面に切り込んでいく意気込みが希薄なのがなんとも残念なことだ(私が知らないだけなのだろうか)。確かに一昔前は、たとえ高価な機器を購入しても飛行機やヘリコプターをチャーターしないと不可能だったものが、今だとドローンで飛躍的に簡単にできるようになっているはずなのだが。

 私自身、エルコラーノのパピルス文書解読の仕組みは文字情報では理解不能であったのだが、この番組を見てようやくだいたいのことが分かった気になれた。そして同時に思ったことは、古代ローマ史の素人でもこういった新技術でこれまでとは比較にならない成果を達成できる可能性が開けたのに、自称専門研究者は手をこまねいて何しているのだ、ということだった。AIを投入することで従来とは別次元の研究進展が期待できるのである。

 若い世代の奮起を期待せざるを得ない。

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今週のクリスチャン・トゥデイ:聖書協会共同訳聖書のこと

 2024/4/17:2018年発行の「聖書協会共同訳」が、この10日に教皇に講壇用の特別表装で献呈された。日本におけるプロテスタントとのエキュメニズムの最大の成果とされる。

 この「聖書協会共同訳」初版の正誤表がでているようだが、出エジプト記14章12節でなんと一文まるごと抜け落ちも(https://www.christiantoday.co.jp/articles/27195/20190906/japan-bible-society-interconfessional-version-corrections.htm)。これは大失態では。

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100年後の我が国人口予測

https://digital.asahi.com/articles/ASS4H0FS8S4HUPQJ001M.html?linkType=article&id=ASS4H0FS8S4HUPQJ001M&ref=commentplus_mail_top_20240420&comment_id=24282#expertsComments

 京都大学の先生が統計計測モデルから、100年後の日本社会を予想したら、人口10万人以上の都市の数が半減し、多くの地方都市が消え、大都市で人口シェアを増加させるのは東京と福岡だけ、という衝撃的な結果が出たらしい。

 世間では希望的観測で減っても8千万人と言われてきているが、今の人口減少ペースでは5千万から3千万が堅いところ、すなわち江戸時代のレベルというわけだが、問題は高齢者の割合が圧倒的だということで、行政も国民も危機感が足りないといわざるをえない現況がある、としている。

https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary05

 先行例として、たとえば古代ローマの首都ローマが例外的に最盛期100万に達していたが、中世には4万に激減し、西洋の都市で再びこれに匹敵するものは19世紀まで現れなかった。

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小4年生、ニホンオオカミの剥製発見

https://digital.asahi.com/articles/ASS4J1PLXS4JULBH00HM.html?linkType=article&id=ASS4J1PLXS4JULBH00HM&ref=mor_mail_kaiin_topix2_20240420

 今から4年前になるのだろうか、小学4年生の小森日菜子ちゃんが筑波の国立科学博物館の収蔵庫見学イベントに参加して、目に留めた剥製でビビッときた。それは山犬の一種と分類されていたようなのだが、絶滅したニホンオオカミではと。

 世界で6体目となるニホンオオカミの剥製は、こうして小学4年生の直感で再発見されるきっかけとなった。

 いうまでもなく、国立科学博物館といえば職員に研究者で溢れているわけなのだが、実際問題として彼らが収蔵物のすべてに熟知しているわけではない(研究者よりもベテランの収蔵担当職員の方がよく知っている場合すらあるのは、牧野富太郎氏を思い出せばいい)。専門家とは狭い分野を熟知しているにすぎない。小森嬢が問い合わせたメールが契機となって貴重な6体目の剥製が確認されたわけだ。色んな経緯があって放置されていたらしいが、得てして当事者が退職した後の収蔵物って忘却され、いずれ廃棄に結びつく運命をたどり勝ち、と言う体験が私にもある。

 彼女の疑問を拾い上げて地道な調査をした施設職員のお手柄でもある。

 我々としては,今回の僥倖の背後で忘却・廃棄されてしまった無数の標本の存在に思い至らねばならないはずだ。

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最近の考古学情報

 このところちょっと多忙だったので、アップが遅れているが、幾つか注目すべき情報があった。

① 2024/4/10発:イギリスのオックスフォードシャーの、不動産開発現場での発掘調査で、豪華に装飾されたローマ時代の別荘群の遺跡が発見され、そこにはコイン、宝石、呪いのない鉛の呪い板や小さな奉納軸など、豊富な遺物が含まれていた。

https://www.bbc.com/news/av/uk-england-oxfordshire-68735364

 今とりわけ注目したいのは、未使用の呪詛鉛板である。

私的にはこのような幅1cm強の細い呪詛板は見た記憶が無いので、今回の出土品が呪詛板用なのかどうか速断できないのだが。

② ポンペイ、IX.10における新発掘情報

 昨年から再発掘が行われているこの区画での新出土の紹介。New excavations in Regio IXhttp://www.thehistoryblog.com/archives/date/2024/04/12

 ここは19世紀末の再発掘ではなかったか。それにしてもこんなものが出てくるとは。

 日本語での情報は以下。2024年4月12日発信:「ポンペイの宴会場でトロイ戦争の見事なフレスコ画が発見される」(https://news.yahoo.co.jp/articles/f920bf7c1792cc80732f8153ae21f112f223b43f

 ところで、ちょっと横道に入るが、一体今回の発掘地点がどこなんだろうと思って、Google Earth Proで探したところ、場所の確定はできなかったが、意外なことが分かった。これまでは農地だった未発掘地区がなんだか駐車場ぽくなっていたのである。以下の写真は2023年4月下旬の写真。2012年以降、欧州連合が見かねて7500万ユーロを拠出して以降の変化と思われる。このところ、かつてはできていた城壁巡りが東から北側ではできなくなっていたのだが、私はそれのせいでこれまで目視できなかった。

左がその発掘場所IX.x,1,2    右中段はこれまで未発掘のIX地区とIII地区(上段はIV地区)
2011年ごろの航空写真:基本、農地だった

③ 2024/4/11発信「ハマスのトンネル捜索中にローマ時代のユダヤ人の地下迷路を発見」(https://www.businessinsider.jp/post-285035)。いかにも時局的な話題を装っているが・・・。

 でも実際にはこの発見は、場所がガリラヤ湖の北北西であるので、とりあえず現在問題になっている戦闘地域からはかなりずれてまして・・・。

  論文報告も2022年1月だったようだし。

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今週のクリスチャン・トゥデイ:沢神のこと

澤田和夫神父死去、104歳:東京大司教区の最高齢司祭

2024年4月15日14時08分(https://www.christiantoday.co.jp/articles/33514/20240415/fr-kazuo-sawada-dies-at-104.htm)

2011年司祭叙階60周年の時

 我らの世代では「沢神」として著名な神父だった。私は直接の面識はなかったが、今般ウィキペディアで履歴を読み直して、華麗な澤田一族を再確認。父の節蔵は東京帝国大学法学部出身の外交官(『回想録』有斐閣、1985がある:二人の兄弟も著名人)、母美代子の父も外交官。節蔵はクエーカー教徒だったらしいが(ウィキペディアでは「カトリック」となっているけど)、妻は敬虔なカトリック信者だった由。

節蔵:1884-1976年 91歳没

 なぜか長男秀夫、次男信夫の記載がないが(下記【追追記】参照)、和夫は三男で東京帝大法学部出身で海軍将校から、戦後ローマのウルバーノ神学大学に留学、東京教区司祭として聖職者の道を歩む。四男昭夫は保守派歴史研究者(その著作、私もお世話になった)、五男壽夫は国際派法学者。その後の世代の消息は知らない。

【追記】ググっていたら、なぜ司祭になったのかと問われて「一番上のお兄さんが司祭になれずに死んでしまったので」と答えている文言に出会った(http://c-v-team.com/B01_syoumeiwoikiru/B01_02a.html)。

 かつてのカトリック信者にはこのような風格ある(?)一族がいて、異彩を放っていた印象がある(以下参照、園田義明『隠された皇室人脈:憲法九条はクリスチャンがつくったのか!?』講談社α新書、2008年)。

 ちょっと変わった著名人としては、与謝野寛(鉄幹)・晶子もそうで、寛は臨終洗礼を、晶子は「次女七瀬、六女藤のカトリック信仰に導かれ、死去の二年前(昭和15年)に伊藤庄治郎神父から洗礼を受けた」と。家の宗教として菩提寺があり晶子に戒名があっても、まあそんなものだと思うだけのことだ。たとえば、次男秀は外交官で熱心なカトリック信者だったらしいし、最終的にイタリア大使になったが、その長男が我らの時代の政治家の馨だが(2017年死去)、洗礼は受けていない(http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/09/05/3744819)。親が信仰を強制せずあくまで個人の信仰を貫いたわけだ(教会法的には逸脱で建前的には許されないが、お目こぼしがある、ないし杜撰なのがいかにもカトリック的。今話題の2世問題も希薄なはずだ)。

【追追記】我が図書館で、澤田壽夫編『澤田節蔵回想録:一外交官の生涯』有斐閣、1985年、を借り出して読んだ。長男は1928年に病死(長男秀夫は暁星中学在学中に盲腸がらみで死亡。両親はワシントン滞在中だった)、次男はなぜか影が薄いのが不審であるが一家をなしているような記述ではあった。

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神社本庁のごたごた

2024.04.15

by 小林よしのり『小林よしのりライジング』https://www.mag2.com/p/news/596858

 私もよく知らない神社本庁がらみの書き込みあったので、参考までに。

栃木の日光東照宮、石川の氣多大社、鎌倉の鶴岡八幡宮など、近年「神社本庁」を離脱する有力神社が急増している。背景には、上納金や人事介入への不満に加え、反社の関与が疑われる土地転がしなど“不祥事の巣窟”と化した神社本庁への反発があるようだ。強い戦前回帰志向とマイノリティへの差別意識を持ち、神聖な境内で憲法改正の署名集めをさせることでも知られる神社本庁。いやしくも“庁”を名乗るこの民間宗教法人の堕落した本質を、小林よしのり氏主宰「ゴー宣道場」の寄稿者で作家の泉美木蘭氏があばく。(メルマガ『小林よしのりライジング』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:泉美木蘭のトンデモ見聞録・第323回「神社本庁と神道政治連盟のこと」

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