最近の考古学情報

 このところちょっと多忙だったので、アップが遅れているが、幾つか注目すべき情報があった。

① 2024/4/10発:イギリスのオックスフォードシャーの、不動産開発現場での発掘調査で、豪華に装飾されたローマ時代の別荘群の遺跡が発見され、そこにはコイン、宝石、呪いのない鉛の呪い板や小さな奉納軸など、豊富な遺物が含まれていた。

https://www.bbc.com/news/av/uk-england-oxfordshire-68735364

 今とりわけ注目したいのは、未使用の呪詛鉛板である。

私的にはこのような幅1cm強の細い呪詛板は見た記憶が無いので、今回の出土品が呪詛板用なのかどうか速断できないのだが。

② ポンペイ、IX.10における新発掘情報

 昨年から再発掘が行われているこの区画での新出土の紹介。New excavations in Regio IXhttp://www.thehistoryblog.com/archives/date/2024/04/12

 ここは19世紀末の再発掘ではなかったか。それにしてもこんなものが出てくるとは。

 日本語での情報は以下。2024年4月12日発信:「ポンペイの宴会場でトロイ戦争の見事なフレスコ画が発見される」(https://news.yahoo.co.jp/articles/f920bf7c1792cc80732f8153ae21f112f223b43f

 ところで、ちょっと横道に入るが、一体今回の発掘地点がどこなんだろうと思って、Google Earth Proで探したところ、場所の確定はできなかったが、意外なことが分かった。これまでは農地だった未発掘地区がなんだか駐車場ぽくなっていたのである。以下の写真は2023年4月下旬の写真。2012年以降、欧州連合が見かねて7500万ユーロを拠出して以降の変化と思われる。このところ、かつてはできていた城壁巡りが東から北側ではできなくなっていたのだが、私はそれのせいでこれまで目視できなかった。

左がその発掘場所IX.x,1,2    右中段はこれまで未発掘のIX地区とIII地区(上段はIV地区)
2011年ごろの航空写真:基本、農地だった

③ 2024/4/11発信「ハマスのトンネル捜索中にローマ時代のユダヤ人の地下迷路を発見」(https://www.businessinsider.jp/post-285035)。いかにも時局的な話題を装っているが・・・。

 でも実際にはこの発見は、場所がガリラヤ湖の北北西であるので、とりあえず現在問題になっている戦闘地域からはかなりずれてまして・・・。

  論文報告も2022年1月だったようだし。

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