版権の問題あるかもなので、雰囲気がわかる程度の画像にしてます。悪しからず。
『UP』が届くたびに私が最初に見るのがこの日記である。今回は彼が25年前にイタリアでのバスで移動中の体験で、言葉の通じない彼が困っている時の、現地庶民たちの親身な(ある意味過剰な)立ち振る舞いを「とても文明的な感じがする。文明ではあるが、とても原始的な所とつながっていてプリミチヴなものを押さえつけず、上手く発露させてやるのが文明と云う事であろう」とコメントしている。
ほのぼのしてなかなかいい話であるが、これはアドリア海添いのマルケ州ウルビーノ(人口1万4千)という小都市での、しかも今から25年も前の体験なので、今だとそんなこと期待できないかもとつい思ってしまう。
実は私も似たような体験がある。これも30年前くらいのこと、南イタリアのアドリア海岸沿いをリミニに向かって北上していた鉄道の地方線で当時のコンパートメントに偶然同席し向かい側に座った、慎ましい風体の老夫婦がやおらパンニーノを取り出して食べ始めた。頃合いとして夕食だったのだろうが、なんとそれを私にわけてくれようとしたのである。いや、お腹減ってませんからとジェスチャーで辞退したのだが、後から思うと有り難く少しいただくべきだったかなあ、でも2人分しかなかったしなあ、と反省したり思い返したものである。紳士淑女で占められる今どきのフレッチャロッソなんかではとうてい見かけることのない素朴な老夫婦との、わずかな交流であったが、なんともあたたかく忘れがたい思い出である。
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