月: 2024年12月

アメリカ民主主義とはなにか

 日本がお手本にしてきたアメリカに関して、あれれと思うことが最近目立ってきた。

 ◎建国の偉人たちは奴隷制を容認していた。https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1f77f8c4829a5469a475645c9788af4ca085e86e

 ◎【「男性優位社会」アメリカ】:論より証拠、女性大統領がいまだ誕生しない国
https://miu.ismedia.jp/r/c.do?2nAB_kmC_4fB_sds

 ◎議会襲撃事件参加者へ恩赦を就任初日に与えるトランプ、次男に恩赦を与えたバイデンも同罪か?    https://wedge.ismedia.jp/articles/-/35980

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「グラディエーターII」を見てきた

 11月15日から公開上映が始まっているのは知っていたが、あれこれ多忙な日々が過ぎ、数日前ようやく思い立ち近所のユナイテッド・シネマでみる気になってググってみたらなんと翌日の12/12が最終上映になっているではないか! あわてて予約して行ってきたのだが、なんと上映は21時25分から0時25分までの一日一回のみ。要するに、約1か月間の、おそらく深夜に一回のみの上映だったわけだ。ちなみに12/11の上映を見た観客は私以外は2名しかいなかった。https://gladiator2.jp/

 そのうえ受付でパンフないのかと聴いたらあっさり「ありません」といわれてしまった。パートIの時とは大違いだ。

 そのパートIの上演は2000年だったから、パートIIができるまで、実に24年が経過していた。連続して登場した数少ない俳優のうちの一人に、ルキッラ役のコニー・ニールセンがいたが、実年齢で35歳から60歳寸前になっていたわけなのである。さすがに往年のオーラは失せてしまっていたが。

 さて今回の内容だが、ローマ軍に敗れて捕虜になったヌミディア兵の中にいたのが、実はルキッラの息子ルキウスで、叔父の皇帝コンモドゥスの死後、命の危険を案じた母に言い含められて姿を消して(ここらあたりの設定はフィクションとはいえ極めて苦しい)、流浪の末にヌミディア反乱軍兵士になっていたらしい。彼が今回の主役となるわけだ。

 冒頭の回顧場面で、前回主役のラッセル・クローのマクシムスがコロッセオでの死亡直前にルキッラと謎の問答をしていた箇所が出てくる。「ルキウスは?」「無事です」。

 私は前作を何度も見たあと周辺情報を求めてかなりググっていたのだが、その中で「後日談」ならぬ「前日談」を英語から翻訳しているウェブを見つけて、熟読したことがある(ウィキペディア情報によると「映画本編の序章部分」の映画化の構想もあった由なので、そのシナリオだったのかもしれない)。今でも私の古いパソコンのハードディスクか、保存用メディアの中にそれは眠っているはずだが、そこではマクシムスが皇帝の娘ルキッラと通じていた過去があり、そこで得られた子供がルキッラが嫁いだルキウス・ウェルスの遺児として育てられていたルキウスだった、というかなり込み入った伏線が張られていた。それを知って映画を見直すと思わせぶりなパートIの諸場面の謎もすべて解けてくる。それが今回冒頭の回顧場面での問答の真意、種明かしされているわけだ。

 史実では、ルキッラは皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの次女として149年に産まれ、14歳でルキウス・ウェルスと結婚し,3年後に一女をもうけたが、ルキウス・ウェルスの死後二度目の結婚を20歳の頃Pompeianusとし、翌年あたりに一人の息子を得ていた。だが弟のコンモンドゥス皇帝によって、彼女は181ないし182年にカプリ島に追放されそこで暗殺されている。享年32, 3歳の生涯だった。

 パートIIの該時代の皇帝はカラカッラとゲタで、映画ではたしか双子となっているが、史実では1,2歳違いの兄弟で、211年はじめの父帝セプティミウス・セウェルスの死後、年末にゲタは23歳で兄によって暗殺死させられている。かねて兄弟の仲は悪かった。なのに映画では二人とも共同統治者として登場、しかも不気味な白塗りの顔で露骨に同性愛者風に描かれていて、違和感満載である。

 そこに狂言回しに、北アフリカ人で奴隷商人ないし剣闘士育成業者マクリヌス役でデンゼル・ワシントンが暗躍する(私は、同名皇帝を想起させるこの命名にはいささかひっかかってしまう:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/112200634/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005)。前作と同様一貫して不甲斐ない立ち回りを演じさせられているのが元老院議員たちで、またもや安直な反乱計画が露見して、ルキッラも逮捕される。それを救うのが剣闘士たちの反乱と、オスティアから駆けつけるローマ軍団だ。彼らの合い言葉は「力と名誉を」Power and Honor で、だがしかし彼らが目指すのは暴力的な軍事力を背景にした古き良き共和政の復活、なのである。

 これを見ていて、私には監督リドリー・スコットの意図が透けてみえたように思えた。これではまるでトランプの主張ではないか。たとえ監督にその意図がなかったにしても、視聴者をそちらへの共感に誘導していないと言えないだろうか。それはアメリカの現実ではあるが、それでいいのか。いや未来展望が開けるのだろうか。私にはそう思えてならない。

 

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ローマ軍唯一残存の軍旗について

 ここでの「軍旗」は、軍団旗の鷲旗(aquila, pl.aquilae)ではなく、ここでは仮に「連隊旗」と名付けたvexillum(pl. vexilla)のほうである。軍団の象徴として各軍団に1つしかなかった鷲旗はこれまで現存が確認されていないが、絵画や記念碑などから形状や役割は明白である。

 その点むしろ軍団内に多数あったと想定される連隊旗の種類や形状は不明なことが多い。そのうえ時代の経過による変化もあったはずである。私は拙稿の中でvexillumに「皇帝旗」をも含めた叙述を書いたことがあるが、もちろん仮説である。

   軍団旗「鷲旗」         連隊旗:但し構成的イメージ

 現存唯一の連隊旗なるものは、1911年ごろにエジプトで発見された3世紀のもので、現在モスクワのプーシキン美術館所蔵である。ただ来歴および使用部隊名も不明である。残存しているのは勝利の女神ウィクトリアが描かれた厚いリネン製の布で、形は47×50センチメートルで、下端にはフリンジ(房飾り)をかけたような跡がある。現存しない木製の筒棒に取り付けられていたことも知られている。

   出土連隊旗          復元品        連隊旗の全体像       

 以上の情報は、2024/4/15にスペイン語版ウィキペディアで公開された。

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語学学校のブログ拝見

 偶然見つけたもの。イタリア語教室の「アカデミア・イタリアーナ」のポスト:https://accademia-italiana.jp/

 庶民的な情報が得られそう。例えば、以下の記事は今年7/1のもの。

 「品性を重んじる」:サン・ピエトロ内で働く人の条件:ピアスもタトゥーもしていないこと、独身…etc. これは大聖年に向けてサン・ピエトロで働く一般信者用の規則の一部と、il Messaggero紙が報じた。 タトゥーがキリスト教の社会でどう位置付けられているか何となくうかがい知ることができる気が…

 ついで、ポンペイがらみで9/9に以下が:

遺跡を保存するには様々な要因に対処しなければいけない。湿気はどこでも大きな問題だが、動物や鳥といった生物の糞なども問題になる。 そこでポンペイでは鳥をポンペイから遠ざけるために2年前から猛禽類が最低週3回パトロールするようになった。

https://www.youtube.com/watch?v=X6NDMtM47L4

 このポストとは別に「コラム」情報もあるので時々覗きたいものだ。

【補遺】これも最近みつけたイタリア本:

 ディエゴ・マルティーナ『誤読のイタリア』光文社新書、2021年、¥880.

 イタリア人と言ってもステレオタイプでない、色々の人がいますよ、という感じの内容か。著者の書き味がインテリ風なので、ざっくりと読めないかも。

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歴史ブログ発見! History Skills

 遅ればせながら、ググっていてみつけた。「History Skills」https://www.historyskills.com/。古代ローマ部門をちょっと覗いて見た段階だが、時代限定が王政から初期元首政までみたいで、後期ローマ帝国の項目は明示されていない。しかし、ローマ社会に触れたエピソードにはそれなりに読める感じ。

 問題は、出典が明記されていないことで、だからまあエピソード的にざっと読み飛ばすレベルでいいのだろう。読者がそこからなにがしかの知識を得ればいいわけで、それ以上を期待しなければいいわけだ。

 私が多少手がけてきたコンスタンティヌスの「アーチ門」がらみの記述(https://www.historyskills.com/classroom/ancient-history/arch-of-constantine/)を読んでみたが、取り立てていうべき新情報はなかった。

 また別の、若干高度なウェブも見つけた。「DOMVS ROMANA:Blog de la domus y la vida familiar en la antigua Roma」(https://domus-romana.blogspot.com/)である。スペイン語なので機械翻訳に依存することになるが、それでさえ色々と学べそうなのでうれしい。2013年以降テーマ的に現在149が掲載されているらしい。ただし先端的とは思えないが。

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イケてない広島?

 私は広島出身なので、デジタル版で中国新聞を取っている、といっても月10本程度の限定であるが。それで最近ニュースレターで知ったのだが「転入も減っている広島県 転出が増えただけじゃない」(2024/11/30)で、どうやらかつての位置が変化しつつあるようなのだ。それが今年4月以降連載されている「イケてない?広島」の動機となっているようだ。

 この記事で初めて知ったが「札仙広福」という言葉があったらしい。しかし太田川の扇状地という立地的に見ても(後背地に山が迫っている)広島市は他と比べて差があるのでそもそもが過大評価だったのではと思わないでもない。

 しかしふるさとにはのんびりしてほしいと思うのは、脱出組の勝手な感慨なのかもしれないが。

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