2025/3/11に見た「フロンティア」について

 以下の文章はある読書会参加者に書いたメールである。それに多少加筆して転送する。
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 実は先ほどまで21時から1時間、「フロンティア」で放映されたのが「ローマ:知ら
れざる地下世界へ」。
 
 掘ればかならず遺跡にぶつかるので新しい地下鉄は不可能とされてきたローマで、
2007年から3番目のC線が着工されました。そして予想通り至る所で遺跡にぶつかり、そ
れでも郊外に近いサン・ジョバンニ駅までは2018年に何とか開通したものの、そこから
市内中心部をコロッセオ、ヴェネツィア広場と横切るわけですが、完成年は未だ定かで
なく予算も大幅に増加してしまってます。このあたりはいかにもイタリアなんですが。

 この番組は何度も再放送されると思うので、ぜひ一度ご覧下さい。もちろん、NHK+でも3/18までだと、登録者は無料でみることできます。

 私個人的には、この放映で新しい情報が得られるかと期待していたのですが、これま
でフォローしてきていた知識の再確認で終わりました。新知見がなかったのは残念です
が、私のアンテナがずれてなかったことだけは確認できました。
 あとちょっと気になったのですが、ナレーションで数カ所おかしなこと言ってました
。たぶん翻訳ミスだと思います。

 そんな中でただひとつ偶然でびっくりしたのが、ヴェネツィア広場駅の工事でハドリ
アヌス帝(在位:117ー138年)建設の「アテナエウム」の平煉瓦の話が出てきて、煉瓦
製作印に執政官アプロニアヌスとパエティヌスの名前が押されていたことです(映像にもっともらしい丸印がついた平煉瓦が映ってましたが、あれが規格通りの大きさの煉瓦です)。

 それって偶然にも先日の会で出てきた執政官名ではないですか! ちなみに彼らは
123年を示しているので、ハドリアヌスがアテナエウムを建設したのは135年以降とされ
ていることともギリギリ年代的に整合しているわけです(興味ある方は、2019/5/19の
私のブログ「ハドリアヌスのアテナエウム発見」をご覧下さい:また兵舎についても以
下のブログで触れています;2019/8/14)。
 もっとも、平煉瓦の製作工房がドミティア・ルキッラの工房のそれだったかどうかには、番組では触れられてませんでしたが。
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