旧聞に属するが、私が在職中にテキストに採用してきた『初代教会』平凡社ライブラリー、の著者ジャン・ダニエルー Jean Daniélou の名誉回復の記事が、他を探していたら偶然出てきたので、ここに掲載しておく。著作権の問題あるので、ここには詳細を明記しないが、興味ある向きはお問い合わせください(k-toyota@ca2.so-net.ne.jp)。
1972年、若きノルウェー出身の彼女はダニエルー神父の簡素さに衝撃を受けた。枢機卿だとわかる外見の唯一の特長は、赤い靴を履いているということだけ。多くの任務を抱えているにもかかわらず、どうにか昼食は修道院で年老いた司祭のジラールといっしょに取ろうとした。さもなければジラールは一人になってしまっただろう。1974年5月19日、ダニエルーはブルターニュ地方に、ある修練の説教(とりわけ司祭の独身性の重要性ついて語っていた)のため赴いた。翌日ミサをあげ、キリスト教史料集の仕事をし、午後には町の反対側にある Porte de Clichy 行きの68番バスに乗り、娼婦ミミ・サント―ニの家に着いた。これはエマニュエル・ド・ボワソンが伝えたミミの談話である。
彼は学生たちに話をするのに時間をかなり費やした。配置の最初の数年間は、セーヴルの高等師範学校の司祭をつとめ、ソルボンヌ大学で文学部のカトリック団体付きの司祭を補助していた。次に聖母被昇天修道会の修道院長とともに Circolo san Giovanni Battista という信者の活動を始めた。le matinées spirituellesという信仰に関する講話に続く主日のミサには女子学生たちのグループが集まった。彼の著書の多くはこの説教から生まれたものだ。そのひとつ、「異教の神話とキリスト教の神秘」の冒頭の序文の中で彼はこう書いている。
本日は、パラティーノ丘での共和政末期のドムス発見のニュースが 12日にイタリアを騒がせ、続く13日~15日に開催された「Convegno internazionale di studi | Ninfei antichi e moderni a Roma e nel Lazio – Curia Iulia, 13-15 Dicembre 2023」の2日目(14日)に、さらなるその詳細が Parco archeologico del ColosseoのRoberta Alteri女史によって発表された ことのご報告です。
なお、Alteri女史の発表につきましては下記のURLの18~49分あたり、その質疑応答は3時間30分以降にあたります(https://www.youtube.com/live/k_iCHG4MD3Y?si=VQBT4LTjR4hf0byx)。 12月14日 9:50-10:10 Roberta Alteri (Parco archeologico del Colosseo) La scoperta della domus tardo repubblicana del vicus Tuscus. Architettura e decorazione a mosaico di un nuovo specus aestivus
この他にもこの会議の詳細につきましては、下記URLをご参照ください。プログラムも掲載されています(Convegno internazionale di studi | Ninfei antichi e moderni a Roma e nel Lazio – Curia Iulia, 13-15 Dicembre 2023 – Parco archeologico del Colosseo)。
ところで、このNinfei会議を追うことで、10月にH先生やO先生と拝見したエルコラーノの北西小浴場(エルコラーノの調査申請では「パピルス荘の浴場 」と指定しないと、「郊外浴場」と紛らわしいそうですが)の天井部が、洞窟を模した偽鍾乳石装飾が施されていたことから、本当に「浴場」だったのか、むしろ「Ninfeo」の一種ではなかったのか、などと疑問が湧いてきました。もっともNinfeoについてよくご存知のエルコラーノの方々が浴場と解釈されたのですからその通りだと思いますが、いずれにしましてもNinfeoや模倣洞窟への嗜好を知る上でもこの会議の内容は重要だと思いますので、また、アーチ構造を専門とされるO先生には興味深い発表も多いのではと僭越ながら思いましたので、是非お時間のある時にみていただき、ご教授いただけたらと存じます 。 なお、この国際会議は昨年から12月に行うようになったそうで、来年も「ローマ時代の商業・生産空間spazi produttivi e commerciali di epoca romana」をテーマに発表を募るそうです。